aamall

2018年07月03日

英文明細書を読む

普段は英訳の仕事しかしていないので、日本語で書かれた明細書しか読まないのですが、空いた時間に米国企業の英文明細書も読んだりしてます。

今回読んでみたのは、No-contact cover for stethoscopes and other devicesという名称の特許公報。

なぜこの公報を選んだかといいますと、代理人が "Ronald D. Slusky"だからです。

って、誰だよそれ、って?

こちらの書籍の著者です。

Invention Analysis and Claiming: A Patent Lawyer's Guide


まあ、本人に確認したわけじゃないので、絶対この人だとは言い切れませんが、同姓同名で別人ってことはないんじゃないかな~と思います。

では、クレームを見ていきましょう。

まずはクレーム1。

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1. A cover for a stethoscope, the cover comprising
a pouch having front, back, top, bottom and sides, there being formed in the pouch an opening for receiving at least a portion of the stethoscope, the opening being formed, at least in part, in the back of the pouch, the pouch being configured in such a way that the opening is opposite the front of the pouch and in such a way that a head of the stethoscope can be inserted into the pouch through the opening in a direction away from the back of the pouch and toward the front of the pouch, and
one or more tabs disposed on the top of the pouch.
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いくつか気になる表現を太字にしました。

"there being formed in the pouch an opening"って形の分詞構文もありなんですね。

この表現、アレンジして使えそうな予感。

"opening for receiving"というのも、日本語原稿で『挿入するための開口』とあっても"insert"は使いたくない場合、"receive"はいいかもしれないですね。

"configured in such a way that"って、クレームで"such that"を禁止しているクライアントもいますが、米国の明細書にはたまに登場しますよね。

ついでに、"can be"ってクレームで使われてるじゃありませんか!

いいの?

権利化されてるんだから、許されるってことなのか?

う~ん、、、

引き続き、クレーム2。

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2. The cover of claim 1 wherein the opening is further formed at least in part in the top of the pouch.
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"further formed"で、開口の範囲が大きくなったのね。

こういう書き方もありか~。

ところで、物のクレームでは"form"を使うのは好ましくないって話も聞きますけど、普通に使われてますねぇ。

少し飛んで、クレーム7。

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7. The cover of claim 1 wherein said opening is the only opening formed in said pouch.
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ここでは"said"が使われてるんですねぇ。

"the"と"said"の使い分けのルールが、このクレーム読んでても分からないんですけど、なんとなくなのか?

"is the only opening"のように、1つしかないと敢えて限定することで、他のクレームでは複数あってもよいという意味を持たせることができるという話、いわゆるClaim Differentiationの話は米国代理人からも聞きますが、そこに頼るべきではないと以前取った米国特許法のクラスの教授が言ってました。

その辺は翻訳者の仕事の範疇じゃないにしても、なんで敢えてこのクレームを書いたのかな~と気になります。

こんな感じで、この表現いいな~とか、なんでこういう書き方してるのかな~とか、色々考えながら読んでます。

真剣にお勉強ってほどではなく。

でも、英文明細書を読むと、使われている表現も比較的自由で、色々なスタイルが見受けられるのに対して、日英翻訳の際には妙に決まりごとが多い気がするんですよね。

そのルール誰が決めたの???というものも多々ありますし。

なんででしょうね(´・ω・`)


h_a_z_u_k_i at 23:15│Comments(0)英文明細書 | 書籍

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