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日本語

2021年01月24日

主語を書け!!!と思うとき

明細書を英訳していると、主語は?と問いたくなることがよくあります。

というわけで、たまにツイッターで怒りの気持ちを表すわけですが、そうすると、日本語の文では主語は必須ではないという意見も出てきます。

もちろん、その通りです。

日本語では、文脈から明白であれば主語を明記する必要はありません。

私が言いたいのは、文脈から明白ではない主語を書け!!!ということです。

例えば、『第1の値が閾値以下である場合、正常である。』のような文が明細書には出てきます。

はぁ?

何が正常なの?

第1の値?

装置の状態?

それとも第1の値によって示される装置内のどこかの部分の状態?

明細書の内容から考えて何を主語とすべきか、色々な可能性があります。

その答えを求めて明細書内を探索していると、この明細書書いた奴、禿げたらいいのに、、、と思えてきます。

他の例としては、ある装置が、処理部、制御部、検出部など色々な要素を含む際に、動作の主体が明記されていないと、装置を主体とすべきか、各部を主体とすべきか、翻訳者には決めかねるのです。

装置の構成の説明部分では、各部の動作が説明されていても、装置全体の動作の説明ではあえて装置を動作の主体にしたい事情もあるのだと、先日ツイッター経由で知りました。

何を動作の主体として英訳してほしいのか、原稿に明記することで翻訳者に知らせてくださいということです。

要するに、『主語を書け!!!』というのは、単に主語のない文を書くなということではなく、文中の動作の主体を書け!!!ということです。

原稿を書いてる方々も暇じゃないでしょうから、全文見直すなんてできないでしょうけど、たまには、自分の書いた文を見直して、この動作をしているのは何?とご自身に問うてみていただきたいものです。

その答えが当該文中や前後の文にないのなら、動作の主体を書け!!!

h_a_z_u_k_i at 15:04|PermalinkComments(0)

2020年08月14日

ない袖は振れないといいますか。。。

先日まで翻訳していた案件なのですが、少々つっこみたくなる記載がいくつかありました。

まあ、つっこみどころのない明細書というのもなかなかありませんが。

ある装置の構造に関する明細書なのですが、従来の構造ではある部品が必要だったけども、その部品が破損しやすいという問題があり、その部品をなくした新たな構造の特許出願ですよ~というお話です。

効果の説明部分で、『本発明の装置ではA部材が不要となるので、A部材が破損することを抑制できる』みたいなことが書かれてました。

そりゃあ、あなた、ない部材は破損しないでしょう。

まあね、A部材が破損するという状況を避けられるということなんでしょうが、それにしたって、ない部材が破損する状況は起きないでしょう。

その部材の破損にフォーカスするのではなく、装置そのものの破損が抑制されるって話にしてもらった方が、英訳しやすいと思うんですよね。

ない部材を英訳に登場させるとしたら、冠詞はどうするの?と疑問に思います。

ホント、どうするんでしょうね。

誰か教えて。

h_a_z_u_k_i at 14:14|PermalinkComments(0)

2017年11月04日

受身形なのか可能形なのか

特許明細書には、よく『考えられる』『用いられる』『得られる』といった表現が登場しますが、これって受け身を表してるの?それとも可能を表してるの?と考え込むことがあります。

まず、日本語文法のおさらいをしましょう。

おそらく大半の日本人は、学校で習ったであろう日本語の動詞の活用なんて覚えていないでしょうし、覚えていなくても話せますので考えることもないでしょうね。

日本語の動詞の活用の種類には、『五段活用』『上一段活用』『下一段活用』『サ行変格活用』『カ行変格活用』があります。

五段活用の動詞の例は『作る』『思う』など、上一段活用の動詞の例は『用いる』『降りる』など、下一段活用の動詞の例は『考える』『出る』など。

サ行変格活用の動詞は『する』、カ行変格活用の動詞は『来る』です。

五段活用、上一段活用、下一段活用それぞれの受身形と可能形は、次のようになります。
  • 五段活用: 作る ー 作られる(受身形) ー 作れる(可能形)
  • 上一段活用: 用いる ー 用いられる(受身形) ー 用いられる(可能形)
  • 下一段活用: 考える ー 考えられる(受身形) ー 考えられる(可能形)
口語ではいわゆる『ら抜き言葉』が主流になっている感じはしますが、書き言葉では今なお可能形に『ら』を入れるのが主流だと思います。

ら抜きをしない場合、上一段活用と下一段活用では受身形と可能形が同じ形になってしまいます。

というわけで、形を見ただけでは、受け身を表しているのか可能を表しているのかが明確ではないんですよね。

日本企業の米国公開公報を見ていると、『考えられる』が"It is considered"と訳されているのを割と頻繁に見かけるます。

しかし、原文を読むと、この『考えられる』は受け身の意味ではなく可能の意味で『~であると考えることができる』と言っているのではないのか?と思うことがあります。

『考えられる』が多用される明細書って、個人的には好きじゃないんですよね~。

でも、出願する側としては断定したくはないんだろうな~などと考えながら、受け身か?可能か?と逐一考えながら翻訳しております。

余談ですが、『考えられる』の翻訳は嫌いなくせに、翻訳コメントには『これ間違ってるよっ!』をやんわりと伝えるために『考えられる』『思われる』を多用してます(*・ω・)ノ


h_a_z_u_k_i at 15:47|PermalinkComments(0)