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日本語

2017年11月04日

受身形なのか可能形なのか

特許明細書には、よく『考えられる』『用いられる』『得られる』といった表現が登場しますが、これって受け身を表してるの?それとも可能を表してるの?と考え込むことがあります。

まず、日本語文法のおさらいをしましょう。

おそらく大半の日本人は、学校で習ったであろう日本語の動詞の活用なんて覚えていないでしょうし、覚えていなくても話せますので考えることもないでしょうね。

日本語の動詞の活用の種類には、『五段活用』『上一段活用』『下一段活用』『サ行変格活用』『カ行変格活用』があります。

五段活用の動詞の例は『作る』『思う』など、上一段活用の動詞の例は『用いる』『降りる』など、下一段活用の動詞の例は『考える』『出る』など。

サ行変格活用の動詞は『する』、カ行変格活用の動詞は『来る』です。

五段活用、上一段活用、下一段活用それぞれの受身形と可能形は、次のようになります。
  • 五段活用: 作る ー 作られる(受身形) ー 作れる(可能形)
  • 上一段活用: 用いる ー 用いられる(受身形) ー 用いられる(可能形)
  • 下一段活用: 考える ー 考えられる(受身形) ー 考えられる(可能形)
口語ではいわゆる『ら抜き言葉』が主流になっている感じはしますが、書き言葉では今なお可能形に『ら』を入れるのが主流だと思います。

ら抜きをしない場合、上一段活用と下一段活用では受身形と可能形が同じ形になってしまいます。

というわけで、形を見ただけでは、受け身を表しているのか可能を表しているのかが明確ではないんですよね。

日本企業の米国公開公報を見ていると、『考えられる』が"It is considered"と訳されているのを割と頻繁に見かけるます。

しかし、原文を読むと、この『考えられる』は受け身の意味ではなく可能の意味で『~であると考えることができる』と言っているのではないのか?と思うことがあります。

『考えられる』が多用される明細書って、個人的には好きじゃないんですよね~。

でも、出願する側としては断定したくはないんだろうな~などと考えながら、受け身か?可能か?と逐一考えながら翻訳しております。

余談ですが、『考えられる』の翻訳は嫌いなくせに、翻訳コメントには『これ間違ってるよっ!』をやんわりと伝えるために『考えられる』『思われる』を多用してます(*・ω・)ノ


h_a_z_u_k_i at 15:47|PermalinkComments(0)