aamall

英語表現

2020年06月20日

Dangling Modifier(おまけ)

ツイッタランドにいい例が落ちてましたよ。


"After years of scandal and neglect"は何を修飾してるんでしょう?

この文、素直に解釈するなら、"the Trump Administration"になりますよね。

おっ、そうだとすると、別にこの文間違ってませんね(^^)

多分、書いた人が言いたかったこととは違うと思いますが。

h_a_z_u_k_i at 21:58|PermalinkComments(0)

Dangling Modifier

『本発明の装置は』で始まった文が『~を制御する方法である』で終わるような明細書を翻訳しながら、まずは自分の書く文を制御する方法でも考えたまえ、、、と思っております。

なんでこんなことが起こるんでしょうね?

うっかり?

Google Patentsで検索してみたところ、関連案件の米国出願公報が出ていて、重複する部分も多かったので使いまわしができそうと思ったのですが、そこでもまた問題が。

英文自体は、もしかしたら英語ネイティブが訳したのかも?と思うような表現が多いのですが、とにかくdangling modifierが多い。

dangling modifierって?

何を修飾しているのか不明な修飾句や、文法的に正しい位置におかれていない、文法的に正しい形になっていない修飾句です。

ここ(Dangling Modifiers and How To Correct Them)の説明がわかりやすいかも。

一見すると、dangling modifierを含む文の方が簡潔に見えることがあります。

むしろ、修飾関係を正しく示す文の方がまどろっこしく見えたり。

dangling modiferが気にならない人からしたら、正しい英文の方が下手に見えるのかな?と心配になります。

実際に、翻訳会社のチェッカーさんに、dangling modifierを含む文に修正されたことありますし。

ツイッタランドにいた頃に好きだったアカウントで、New York TimesやWashington Postの記事の英文の間違いを指摘しているアカウントがあったのですが、そこでもよく指摘されていたのがdangling modifierでした。

英語圏が出版されるライティングの書籍でも、よくある間違いとして紹介されることは多いですね。

それくらい、どこででも見かける間違いです。

それだけ頻繁に見かけると、もう受け入れられてるのかな?などと思ってしまいます。

いや、でも見かけると気になるし。

よく、英文ライティングでは、clear, correct, conciseが大切と言いますが、この3つ、同列に並べるべきではないと思うんですよね。

まず大切なのは、correct。

文法的に正しい文を書くことは必須です。

clear, conciseのその後にくる話じゃないですか?

簡潔さを目指すために、文法的に間違った文にしてしまってはいけないと思うんですよね。

まあ、個人の見解ですが。

とにかく、原文は崩壊してるし、見つけた英訳も微妙だし、ハズレ案件引いたな、、、と泣きたい気分なのです。

h_a_z_u_k_i at 13:29|PermalinkComments(2)

2020年05月21日

『断面』は常に"cross section"なのか?

『断面図』という用語を"sectional view"と訳して、"cross-sectional view"に修正されることが時々あります。

何が違うんでしょう?

Merriam-Webster Unabridgedによると、それぞれいくつか定義が載っていますが、断面図の意味で当てはまるのは以下のがあります。

[cross section]
- cutting or section across: a section at right angles to especially the longer axis of anything
- a piece of something cut off in a direction at right angles to an axis
- a view, diagram, or drawing representing such a cutting

[section]
- the description or representation of something (as a building, piece of machinery, segment of the earth's crust) as it would appear if cut through by an intersecting plane
- the plane figure resulting from the cutting of a solid by a plane

つまり、"cross section"とは何らかの軸、特に長軸に垂直に切った面で、軸とは関係なくどこかの平面で切ったものは"section"ということではないでしょうか?

というわけで、明細書に出てくる『断面図』が全て"cross-sectional view"なわけではなく、何を基準に切った図面なのかを考慮した上で訳語を選択しなくてはいけないと思うのです。

私自身はそうしてるつもりなんですけどね。

特許翻訳では『断面図』の訳語は"cross-sectional view"しか認めない派もいるようで。

ついでに、『部分断面図』は皆さんどう訳されてます?

"partial sectional view"と訳されているのも見たことがありますが、"partial section"というのは、下の図みたいなやつです。

Untitled

部材全体を描きつつ、その一部だけを断面にして見せてる図です。

日本企業の案件でよく登場する『部分断面図』は、まず部材の一部を取り出して、その断面全部を描いてるものですよね。

そういうのは"fragmentary sectional view"でいいんじゃない?と誰かに教わったんだけど、誰だったか記憶が定かではありません。

辞書で"fragmentary"の意味を調べる限り、確かにそうかな?と思います。

ところで、翻訳のチェックを担当する際、他人の訳文に修正を入れる前に、辞書を引かないんでしょうか?

翻訳チェックが勉強になるというのは、たまに素晴らしい訳文に出会えて表現をパクれるからじゃないですよ。

他人の訳文に修正を入れる前には、元の訳文が不適切であり、自分の修正により改善されると確信が持てるまで念入りに辞書を引いたり調べものをする必要があります。

それをするから翻訳チェックは勉強になるんです。

でも、翻訳会社が設定するチェック料金って非常に安いので、そこまでやってられないのが現実ですけどね。

もっと真っ当なレートを設定してくれるなら、翻訳よりも翻訳チェックを専門にしたいのにな。

h_a_z_u_k_i at 14:51|PermalinkComments(0)

2020年02月24日

『Xの~する側の端部』って訳しにくいですよね

そう思いません?

特許明細書では『Xの~する側の端部』のような表現が頻出しますが、どう訳したら誤解なくその表現の意図が伝わるんでしょう。

というわけで、初めから英語で書かれた明細書を少々検索してみますと、"where"を使うことで解決するかな?と思い、数件引用します。

まず1件目。

********************
The slope of a front wall within the seed tube at an upper end of the tube where the tube is joined to the seed discharge chute of the meter is also generally vertical so as to extend in the mean direction of seed release of the seed meter. (US4915258)
US4915258-drawings-page-2
********************

上の図面で、"tube"が26で、"seed discharge chute"が44です。

つまり、tube 26はその上端部において
seed discharge chute 44に接合するわけですよね。

『Xの~に接合する側の端部』のような原文が出てきたときには、このパターンが使えようですね。

では、次。

********************
The cornice 43 is cut in a curve to follow the curvature of the ceiling where the ceiling meets the side walls 42. (US6308490)
US06308490-20011030-D00020
********************

こちらは端部の話ではありませんが、『Xのうち、~する部分の○○』みたいな原文を英訳する際に役立ちそうな表現ですね。

『天井のうち、側壁に接する部分の曲率』といったところでしょうか。

最後に。

********************
It is noted that bumper reinforcement do not require as high of bending strength at the structural mounts on ends of the beam where the beam is bolted to a vehicle frame or to vehicle crush tubes. (US9381880)

バンパー強化は、ビームが車両フレームまたは車両クラッシュチューブにボルトで固定されるビームの端部の構造上の取付部での曲げ強度ほどの高さを必要としないことに留意されたい。(JP2017-519674)
********************

こちらは対応する日本出願もあったので和訳も引用しましたが、英語で読むとすぐにわかるのに、日本語にすると一読しただけではなんのこっちゃ?です。

それはさておき、上記の英文の構造は参考になりますね。

こんな感じで、『Xの~する側の端部』みたいな表現を"where"を使って訳出すれば誤読されない英文になるのでは?と思い、普段から使っています。

今のところ、クライアントからの反応は何もありませんが。

日本語では関係詞がないので、名詞と関係詞節との関係が曖昧なことが多いですが、"where"を使うとサクッと処理できるなと思う場面は結構あります。

他にも訳し方があれば、教えてもらえると嬉しいな~。

h_a_z_u_k_i at 14:41|PermalinkComments(0)

2019年01月12日

"at least one"と限定の範囲

最近読んで気になった判決文がこちら→Howmedica Osteonics v. Wright Medical Technology, 540 F. 3d 1337

まず、問題となったクレームを引用します。

15. In a knee prosthesis for replacing the natural knee, the knee prosthesis having a femoral component and a tibial component, the tibial component including a bearing member and the femoral component including at least one condylar element for confronting and engaging the bearing member to accomplish articulation of the knee prosthesis throughout a range of flexion, including a primary range of flexion between a hyperextended position and a flexed position, the engagement between the condylar element of the femoral component and the bearing member of the tibial component ordinarily taking place at a contact area along articular surface areas of the condylar element and the bearing member, the improvement comprising:
    anterior-posterior surface profile contours along the condylar element and the bearing member, the anterior-posterior surface profile contour along the condylar element having an essentially constant anterior-posterior articular radius throughout the articular surface area of the condylar element which contacts the bearing member during articulation throughout the primary range of flexion, the anterior-posterior articular radius having an origin lying generally along a line extending laterally between the medial and lateral collateral ligament attachment points on the femur of the natural knee.

長いね…。

論点をざっくりまとめますと、クレーム内の"the condylar element"に関する限定が一つまたはそれ以上あるとされる"condylar element"全てに当てはまるのか、少なくとも一つに当てはまるだけでいいのかという点です。

で、裁判所の結論としては、下記引用の通りです。

[B]ased on the use of the plural "condyles" throughout the patent specification, "the importance of having the same radii on both condylar elements" to achieving the benefits of the patent, and the testimony of the inventor, the district court concluded that in a bicondylar prosthesis, where both condyles are replaced, "both condyles must meet [the geometric] requirements." J.A. at 37. Although this is a close case, we disagree.

The plain language of claim 15 requires only one condylar element. The femoral component must include "at least one condylar element," which the district court correctly understood to mean "one or more." The claim then requires that "the condylar element" meet the specified geometric limitations. If the patentee had intended both condyles in a bicondylar prosthesis to meet these limitations, he could have drafted claim 15 to require that "both condylar elements" do so. The more natural way of drafting the claim language to achieve that result would be to require "each condylar element," rather than "the condylar element," to conform to the constant-radius geometry.

なんかちょっとモヤっとします。

要するに、District Courtは、明細書内では常に複数の"condyles"が同径であるしそれが重要であるという説明がされているので、クレームの限定は全ての"condyles"にかかると判断したわけですよね。

しかし、CAFCでは、クレームでは"the condylar element"と記載しており、"both condylar elements"や"each condylar element"などのように全てに同じ限定が当てはまるという書き方がされていないので、限定は全ての"condular element"にかかるわけではないと判断したってことですよね。

やっぱりモヤっとするぞ。

実際、モヤっとしてる判事がdissent書いてますし。

実際の翻訳原稿でも『少なくとも一つの~』は度々登場します。

しかし、限定部分では『少なくとも一つの』が省かれ、単に『前記~』と記載されていることもあります。

こんな時、悩むんですよね。

単純に"the ~"と訳していいのか?

ここを単数形にした場合、一つ以上あるであろう要素のうちの一つだけに言及してると解釈されるのか?

"the at least one ~"と補った方がいいのか?

でもそれなら、原稿執筆者がそう書くんじゃないか?

そうしてはいないということは…?

という感じでぐるぐるします。

いずれにせよ、上に引用した判決文を考えると、"the + 単数形"で書いた場合、どう解釈されるかは微妙な気がします。

明細書内では常に複数形だったっていうのに、一つでもいいって判断ですし。

う~ん、、、

と、この判決文を読んでさらにぐるぐるしているのですが、こういう例もあるということを頭にとどめておくと、翻訳の際に役立つことがある、、、かもしれません。

とりあえず、原稿の内容から判断して、複数の要素全てを限定したいのか、少なくとも一つの要素を限定したいのか、考えることは必要ですね。


h_a_z_u_k_i at 16:31|PermalinkComments(0)